これからオーストラリアのパースへの留学を検討している人や旅行を考えている人で、下記のような疑問を持っている人いるのではないでしょうか。

パースって留学するのに治安は大丈夫なの?

パースで危険なエリアとか気を付けるべきことはある?
オーストラリアのパース留学または旅行をする人にとって、パースの治安は気になるポイントです。私自身、現在はパースに住んでいますが、パースに来る前は治安が大丈夫なのか不安に思っていました。私が実際にパースに住んで、感じたパースの治安や政府が公表しているデータを用いながら、パースの治安について徹底解説していきます。本記事では、下記がわかります。
・パースの治安状況
・パースで危険なエリア
・パースで治安がよいエリア
・パースで危険な目に遭わないためには
パースの全体的な治安状況
パースの全体的な治安状況について、さまざまな視点からみていきます。具体的には、世界の住みやすい都市ランキングやこれまでのトラブル事例、私自身の経験からパースの治安状況を紹介していきます。
住みやすい都市ランキング15位

EIUが毎年発表している住みやすい都市ランキング(The Global Liveability Index)の2025年版でパースは15位にランクインしています。住みやすい都市ランキングは安定性(治安や政治的安定性)、医療、文化・環境、教育、インフラの5つの基準で評価されています。
治安などの安定性やインフラなどが整っていないとこのランキングで上位にランクインすることは難しいため、パースが比較的安全ということがわかります。
ちなみに、住みやすい都市ランキング2025の1位は、デンマークのコペンハーゲンで、2位がオーストリアのウィーンとなっています。その他のランキングは下記の通りです。パースは東京やブリスベンと同程度の位置にランクされています。
住みやすい都市ランキング2025
1位:コペンハーゲン(デンマーク)
2位タイ:ウィーン(オーストリア)
2位タイ:チューリッヒ(スイス)
・
・
7位:大阪(日本)
・
・
14位:東京(日本)
15位:パース(オーストラリア)
16位:ブリスベン(オーストラリア)
パースでの犯罪件数とトラブル事例

パースの犯罪件数と実際に報告されているトラブル事例を紹介していきます。まず、犯罪件数ですが少し古いですがパース領事館の2020年のデータによると、2020年の1年間で合計188,440件の犯罪が発生しています。内訳と合わせて比較しやすいように東京の犯罪データと合わせて紹介しています。
パース(10万人あたりの犯罪率) | 東京(10万人あたりの犯罪率) | |
---|---|---|
殺人(未遂を含む) | 72(3.5%) | 108(0.8%) |
性犯罪(過去事件を含む) | 4,489(215.8%) | 244(1.7%) |
暴行傷害(DVを含む) | 25,380(1220.2%) | 6,911(49.4%) |
強盗 | 1,132(54.4%) | 255(1.8%) |
窃盗(侵入犯) | 15,856(762.3%) | 4,550(32.5%) |
車両盗難 | 4,068(195.6%) | 122(0.9%) |
窃盗 | 52,367(2517.6%) | 69,316(495.5%) |
麻薬犯罪(所持,売買等) | 28,405(1365.6%) | 1,025(7.3%) |
その他 | 56,671(2724.6%) | 65,651(469.3%) |
合計 | 188,440(9059.6%) | 148,182(1059.2%) |
参考:パース領事館
人口10万人あたりの犯罪率でみると、東京よりパースの方が高い傾向になっています。特に、暴行傷害や薬物犯罪が東京と大きく差が開いています。下記で、日本人が実際に遭ったトラブル事例を紹介していきます。
日本人がパースで遭ったトラブル事例(参考:パース領事館)
・財布やパスポートの盗難
・観光地の駐車場で車上荒らしに遭う
・夜間に複数男性に囲まれ暴行
・なりすましメールや遠隔操作による振り込め詐欺 など
オーストラリアは治安の良い国といっても、日本より犯罪率は高めです。パース領事館は下記のように呼び掛けています。
・外出時は付近に不審な人物や車両がいないか確認するよう心がけて下さい。
・夜間は可能な限り単独ではなく複数人で移動・行動するようにしてください。特に歩きながらのスマホ操作やイヤホン等の利用は犯罪者に狙われやすくなりますのでご注意ください。
・貴重品等の携行は必要最小限にしてください。パスポートの盗難及び紛失も増えていますので、身分証として携行する際は一層の注意をお願いします。また、車の中の見えるところにカバン等を放置しないでください。(引用:パース領事館)
私の経験から

私の経験から、パースの治安は悪くないと感じています。私自身、パースにまだ1年半程度しかいませんが、危ない目に遭ったことは一度もありません。夜のノースブリッジ付近はたしかに酔っぱらっている人が多いですが、酔っ払いの近くを歩かないなど最低限のことを気を付けていればトラブルに巻き込まれる可能性も低いと感じます。
40か国程度の国に旅行や住んできたりしましたが、オーストラリアはその中でもかなり治安の良い国だと感じます。日本の犯罪率と比較すると高く見えてしまいますが、実際に住んでみると身の危険を感じる場面は多くないのではないかと思います。
ただし、日本より犯罪率が高いのは事実です。パースの街中には薬物中毒者や浮浪者などが叫んだりしていることもあります。怪しい/危ない人を避けて歩く、夜間は複数人で歩くなどを気を付けて楽しいパース留学にしましょう。
パースで危険なエリア3選
パースで危険なエリアを紹介していきます。パースの中でも下記地域は、治安が悪いとされているため用事がない時にはなるべく行かないようにしましょう。
パースで治安の悪いエリア3選
・ノースブリッジ(Northbridge)
・ミッドランド(Midland)
・バーズウッド(Burswood)
ノースブリッジ(Northbridge)

まずは、ノースブリッジです。パースに住んだことがある人であれば、おそらく多くの人がノースブリッジを治安の悪いエリアとしてあげる人が多いでしょう。実際にパース首都圏の犯罪率ではノースブリッジが一番高い数値が出ています。
ノースブリッジはバーやクラブが立ち並んでおり、夜になると特に治安が悪化します。下記がノースブリッジで多い犯罪です。
ノースブリッジで多い犯罪の種類
・暴行
・薬物関連犯罪
・窃盗 など
酔っ払いや浮浪者、ドラッグ使用者などが混在しているため、夜中に女性一人で歩くのは危険な可能性があります。実際に私もノースブリッジで大人が酔っぱらている人が殴り合いのけんかをしているのを見たことがあります。
パースCBDから徒歩圏内で、バーやクラブが立ち並んでいるため、学校の友達などと行くこともあると思います。行く時は複数人で行くようにしましょう。帰りが遅くなる場合は、Uberなどを使ってタクシーで帰るのがおすすめです。
ミッドランド(Midland)

次にミッドランドです。パースに住んでいる人であれば、ミッドランドが治安の悪いエリアだという認識をしている人も多いです。Perth Locksmithの調査によると、人口100人あたりの犯罪発生件数が14.2件とパース首都圏の中でもTOP3に入る犯罪発生件数となっています。
ミッドランドは、パースのCBDから16キロ程度北東に行ったエリアにあります。ミッドランドで多い犯罪は、下記の通りです。
ミッドランドで多い犯罪の種類
・住宅侵入
・窃盗
・器物損害
・薬物関連犯罪 など
犯罪がよく発生する場所としては、ショッピングセンターや電車やバスの駅周辺でよく発生しています。私自身、ミッドランドに行ったことがありますが、他のエリアと比較して異様な雰囲気があると感じました。また、電車でミッドランドまで行ったのですが、ミッドランド線に乗っている客層も少し他の電車と違うと感じました。
ミッドランドで周辺で働いていたりしない限り、あまり行くことがないエリアかと思います。用事があり、どうしても行かないといけない場合のみ、気を付けていくようにしましょう。
バーズウッド(Burswood)

最後にバーズウッドというエリアです。Perth Locksmithの調査によると、人口100人あたりの犯罪発生件数が15.2件とミッドランドと同程度の犯罪発生件数を記録しています。バーズウッドで多い犯罪は下記の通りです。
バーズウッドで多い犯罪の種類
・窃盗
・住宅侵入
・暴行
・器物損害 など
バーズウッドは、パースCBDとスワン川を挟んだ向かいに位置しているエリアです。バーズウッドエリアには、Crown Casinoという大きなカジノやOptus Stadiumというオーストラリア国内でも最大規模のスポーツスタジアムがある場所です。
私自身、バーズウッドで怖いと感じたことはありませんが、犯罪件数から治安が悪めのエリアだということがわかります。器物損害や建物などへの落書きが多いエリアとして知られています。バーズウッドは、カジノやスタジアムがあるため、留学中/ワーホリ中に行く人も多いエリアになりますが、行く際はなるべく複数人で行くようにしましょう。
パースで治安のよいエリア3選
続いて、パースで治安のよいエリアを3つ紹介していきます。
パースで治安のよいエリア3選
・ダルキース(Dalkeith)
・イルカ(Iluka)
・エレンブルック(Ellenbrook)
ダルキース(Dalkeith)

ダルキースは、高級な住宅も多く、最も治安の良いパースのエリアとして知られている場所です。パースCBDからバスや電車で30分程度と程よく近く、スワン川や海にも近いため多くの人に人気の場所です。
公立、私立を含めた学校も複数あり、子連れの家族が多く住んでいます。また、犯罪件数も少なく、Perth Locksmithの調査によると、人口100人あたりの犯罪発生件数が0.7で、調査したエリアの中で最も犯罪率が低いエリアになっています。
留学やワーホリなどで家探しをしている際に、ダルキースの家がある場合は一度内見に行ってみるのも良いかもしれません。利便性が高く、治安の良いエリアで快適な留学生活ができるかもしれません。
イルカ(Iluka)

続いて、イルカというエリアです。イルカは、パースCBDから30分程度北に行った海辺のエリアです。海辺のエリアはパースの中でも人気が高く、イルカは治安も良いことから多くの人に人気のエリアとなっています。
イルカエリアには、映画館を含むさまざまな子供/家族向けの施設が多い場所で、子供がいる家族に人気のエリアです。Perth Locksmithの調査によると、人口100人あたりの犯罪発生件数が0.9件ということで、パース首都圏の中でTOP5に入る犯罪率の低さを誇っています。
Burns Beachのような綺麗なビーチも近くにあるため、ビーチの近くで治安のよいエリアに住みたいという人にはおすすめのエリアです。
エレンブルック(Ellenbrook)

最後にエレンブルックです。エレンブルックは、パースCBDから北東に21キロ程度にあるエリアで、電車のエレンブルックラインの終点の駅がある場所でもあります。エレンブルックも比較的治安の良いエリアとされています。
エレンブルックは、規模が大きく人口も多いエリアですが、治安が保たれており、長く住む人にはおすすめのエリアです。発展を続けているエリアのため、これからもいろんな施設などができていく可能性が高いエリアとされています。
パースCBDから20キロ離れてはいるものの、比較的治安がよく電車やバスも通っているため、留学生やワーホリの人でも比較的安心して住めるエリアではないでしょうか。
パースで危険な目に遭わないために
パースで危険な目に遭わないために、下記のことを意識してみましょう。下記を意識するだけでも犯罪やトラブルに巻き込まれる可能性が低くなります。
パースで危険な目に遭わないために意識すること3選
・危険エリア/怪しい人からなるべく離れる
・貴重品を最小限にする/目を離さない
・情報収集を積極的にする
危険エリア/怪しい人からなるべく離れる

まずは、危険なエリアや怪しい人からなるべく離れるということです。上記で紹介したエリアを含め、学校の先生や同僚から聞いた危険エリアをまずは知識として頭の中に入れておきましょう。なるべく危険エリアを避けて行動し、どうしても危険エリアに行く必要があるときはなるべく複数人で日が出ている時間帯に行くことを心がけましょう。
上で紹介したエリアの中でも、ノースブリッジは行く可能性が高いエリアです。また、夜に友達とバーやクラブに飲みに行くこともあると思います。その際もなるべく友達と一緒に行動してトラブルに巻き込まれないようにしましょう。
ノースブリッジを含め、怪しい動きをしている人や大声で叫んでいる人などにはなるべく近づかないようにしましょう。酔っぱらっている人や怪しい動きをしている人を刺激することで殴られたり、けんかになるリスクをなるべく減らして行動しましょう。
貴重品を最小限にする/目を離さない

貴重品を盗まれるトラブルも発生しています。まずは、貴重品をなるべく持ち歩かないようにするのがおすすめです。オーストラリアでは、キャッシュレスが進んでおりほとんどの場所でキャッシュレス決済が可能なため、多くの現金を持ち歩く必要はありません。
また、スマホやパスポートなどの貴重品は肌身はなさず持っておきましょう。レストランなどで少しトイレに行くからといって、テーブルに置いておかずに持っていきましょう。また、図書館などでPC作業をしている時にトイレに行きたいこともあると思います。そんなときは、近くにいる人にお願いして、”PC盗まれないか見ておいて”と言うのもおすすめです。
また、バーやクラブなど人が大勢いるところでは、スリが多く発生します。特に男性で後ろポケットに財布やパスポートを入れていて盗まれたという話も耳にします。お酒が入っても、貴重品の管理はしっかりとしましょう。
情報収集を積極的にする

危険な目に遭わないためには、自分から積極的に情報収集することもおすすめです。具体的には、下記のような場所から情報収集可能です。
おすすめの情報収集場所
・友達や同僚
・SNS
・領事館からのメール
・ニュース
特に、信頼性の高いのは領事館やオーストラリア政府などの公的機関からのアナウンスです。最近では、パース市内でデモが多く行われており、デモの日時などの情報が領事館からメールで送られてきます。在留届を出した際のメールアドレスに、デモやその他の危険情報も送られてくるため、チェックしておきましょう。
また、パースに長く住んでいる友達やオーストラリア人の同僚からも有益な情報が得られることが多いです。危険なエリアなど住んでる人が一番よく知っているので、聞いてみましょう。
また、XやThreadsなどのSNSも有効活用しましょう。実際にトラブルに遭った人の投稿や公的機関の投稿などをチェックして、トラブルが発生してしまう確率をなるべく減らしましょう。
パースで危険な目に遭ってしまったら
万が一パースで危険な目に遭ってしまったら、下記を実施しましょう。
危険な目に遭った時の対応方法
・まずは命が最優先
・周りの人に助けを求める
・在パース日本領事館に相談する
まずは命が最優先

まずは、何よりも自分の命が最優先です。夜中に一人で歩いている時に、集団強盗に遭った場合は、要求通りに動きましょう。金銭を要求している場合は、持っている金銭を渡しましょう。そこで逆らってしまうと、最悪の場合殺されてしまうこともあります。
スマホやクレジットカード、パスポートが取られても後からなんとかなります。スマホやクレジットカードは、利用の停止手続きをすることで不正な利用などを食い止めることができます。また、パスポートも領事館に再発行の手続きをしにいきましょう。
周りの人に助けを求める

周りの人に助けを求めることも重要です。トラブルに遭った時、近くに人がいればその人に助けを求めましょう。オーストラリア人は優しい人も多いため、何かしらのヘルプをしてくれることも多いです。
また、周りに人がいなくても警察や公的な機関へ相談が可能です。下記が主な連絡先です。
緊急時の主な連絡先
警察:131 444
緊急事態:000
火災やすぐにでも処置が必要な重大なケガなど一刻も早く助けが必要な場合は000に連絡しましょう。この記事を読んでいる今、何かあったときのために、スマホの電話帳にこの2つを登録しておくのがおすすめです。
在パース日本領事館に相談する

最後に在パース日本領事館への相談です。パースには日本領事館があるため、困ったときは相談してみましょう。パースの日本領事館では、下記のことを相談できます。
在パース日本国総領事館でできること
・パスポートの更新や紛失時の対応など
・ビザ各種申請
・各種届出
・在外選挙登録 など
在パース日本国領事館で相談する際には、オンライン予約をする必要があります。こちらのページから面談日時の予約をしてから領事館に向かいましょう。面談枠が早めに埋まることも多いため、早めに予約をしておきましょう。領事館は、下記の場所にあります。
まとめ:パースは比較的治安がよいが最低限の注意は必要!

ここまで、パースの治安について、解説してきました。パースは世界的に見ても治安が良い方で、実際に住んでいても特に怖いと感じたことはありません。ただし、日本より犯罪発生件数は多いため、注意は必要です。パースで治安の悪いエリアは下記の通りです。
パースで治安の悪いエリア3選
・ノースブリッジ(Northbridge)
・ミッドランド(Midland)
・バーズウッド(Burswood)
逆に、パースで治安のよいエリアは下記の通りです。
パースで治安のよいエリア3選
・ダルキース(Dalkeith)
・イルカ(Iluka)
・エレンブルック(Ellenbrook)
パースで危険な目に遭わないためには、下記に注意しましょう。
パースで危険な目に遭わないために意識すること3選
・危険エリア/怪しい人からなるべく離れる
・貴重品を最小限にする/目を離さない
・情報収集を積極的にする
また、危険な目に遭ってしまった場合は、下記の対応をしましょう。
危険な目に遭った時の対応方法
・まずは命が最優先
・周りの人に助けを求める
・在パース日本領事館に相談する
これからパースへ留学/ワーホリ、旅行をする人が危ない目に遭わずに生活できることを心より祈っております。
コメント